Feature
大人だけが知る愛の余韻を胸に

セルジュ・ゲンズブールとジェーン・バーキンのフォトTのお話を。Tシャツを飾るのは、1969年に写真家フランク・ハビヒトが撮影した名作ポートレート「Lost in a Dream」。出会い、恋に落ち、時代の空気ごと神話に変えながらも、幸福なままでは終わらなかったふたりです。ですが、別々の道を歩んでも、その結びつきが消えることはなかった。恋人ではなくなっても、ゲンズブールは彼女のために曲を書き、バーキンもまた彼を心の大切な場所に置き続けた。つまりこのTシャツに刷られているのは、単なるラブストーリーのワンシーンではなく、終わってもなお終わらない愛の余韻。それを胸にのせるからこそ、この一枚はロマンティックでありながら、どこか危うく、やけに色っぽいのであります。永遠の愛とは、ずっと一緒にいることを指すのではないのかもしれません。別れてもなお、相手が心から消えないこと。時間が経っても、ふとその面影が立ち上 がること。ゲンズブールとバーキンの物語がいまも人を惹きつけるのは、そんな“愛の先”がにじんでいるから……ではないでしょうか。胸に宿るのは、若さの勢いではなく、記憶として残り続ける愛の気配。ゆえに大人のオトコが着てこそ、意味があると思うのです。

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