編集長・石井の「華麗なる雑念人生」

あれもしたい、これもしたい。人生をもっともっと楽しみたい! そんな欲張りな考えのもと、人生を謳歌する編集長・石井の雑念にまみれた日々をお届けいたします。今回はイタリアはフランチャコルタの筆頭ブランド「カ・デル・ボスコ」主催、「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」と「京都 吉兆」のコラボランチに潜入して参りましたのでご報告を。掛け値なしに今期最高のお食事とワインでありました。


ここ最近、日本の入国制限の緩和により海外からもスペシャルなゲストが多数訪れるように。それに伴い、会食や国内出張が増加、嬉しい悲鳴をあげている石井です。先日行われた「from ITALY to JAPAN 〜Journey of Excellence」もその恩恵かと。主催であるフランチャコルタの雄「カ・デル・ボスコ」のオーナー、マウリツィオ・ザネッラ氏(写真中央)の来日に合わせ、約半年も前から企画されていたという特別なランチ会だったのですが、その内容がすごかった……。日本におけるイタリア人シェフとして初めてミシュラン一つ星を獲得したルカ・ファンティン氏(写真右)率いる「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」と、伝統と革新を追求する料理人、徳岡邦夫氏(写真左)率いる「京都 吉兆」という、イタリアと日本のトップランナーのコラボレーションメニューを「カ・デル・ボスコ」でいただくという“口福”な試みだったのです。

会場となったのは東京・銀座の「ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン」。吹き抜けの高い天井が開放感満点。並べられたグラスの数を一見し、「これは相当飲めるぞ〜」とニンマリ。

お酒はもちろんすべて「カ・デル・ボスコ」だったのですが、その種類の豊富さたるや! とりわけ写真の「2008 ヴィンテージ ドサージュ ゼロ」が最高でした。ドサージュ ゼロゆえのすっきりとした辛口、果実本来のピュアさが感じられる味わいは、繊細な和の料理にも濃厚なイタリアンのソースにも最高にマッチ。思わずおかわりをお願いしてしまいました。

お料理も負けておりません。こちらは「アオリイカ 菊芋」。隠し包丁を入れた柔らかくトロトロのアオリイカをコク豊かな菊芋のソースと時おりキャビアをのせていただきます。本コースではふたりの料理人のお皿が交互に供されたため、すっかり「京都 吉兆」のひと皿と思っていたところ、実はルカ・ファンティンの作であったと。日本の食材を知り尽くしたルカ氏ならではのシグネチャーであります。

一方の「京都 吉兆」も負けてません。写真は「松葉蟹と季節野菜の酢の物」。黄身出汁のうま味をベースに土佐酢ゼリーで仕上げられた逸品は、カカオニブの苦味と食感もアクセントとなり、広がりのある味わいでありました。ちなみにこちらのお皿は江戸時代初期の古染付をイタリアの名窯リチャード・ジノリに完全復刻してもらったものなのだとか。こんなところにも日伊の文化の橋渡しがなされておりました。

ダイジェストでお届けした「from ITALY to JAPAN 〜Journey of Excellence」でしたが、何より素晴らしかったのは冒頭のキーマン3人の思想と関係性。さらに発展した一杯一食を期待して締めさせていただきます。